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2025年02月13日
断熱性能とは?家づくりをする前に必ず押さえておきたい家づくりの基準とは?
住宅性能のなかでも、特に注目されるのが「断熱性」です。しかし、家の断熱性の高さを表す「断熱等級」とはどのような意味があるのでしょうか。この記事では、2022年に断熱性の基準が新しくなった背景や、そもそも断熱性能がどのように判定されるのか、それにより皆さんの暮らしがどう変わるのか。また、セキスイハイムの断熱等級についても解説しますので家づくりの参考にしてみてください。
そもそも断熱性能とは?
熱は、高いところから低いところへと移動する性質を持っているため、通常では(断熱していない場合)、暖房による熱は温度の低い外へと移動していきます。住宅における断熱とは、断熱材などを使用して、住宅内から外へ、または外から住宅内への熱の移動を遮断することを指します。
この性能が高いほど、外気温の変化に左右されず、エネルギー効率の良い快適な暮らしが実現できます。断熱性能が高い住宅では、室温を一定に保ちやすくなるため、冷暖房の使用頻度を減らすことができます。
断熱等級が高い住宅のメリット
断熱性能が良い住宅にはメリットが多数あります。
冷暖房費を節約できる
断熱性能が高い住宅では、外気温の影響を受けにくく、一年を通じて室温を一定に保つことが可能です。これにより、夏は涼しく冬は暖かな住環境を実現できます。「断熱性能とは」という基準を正しく理解し、高性能な住宅を選ぶことで、冷暖房の使用を抑えることができ、光熱費を大幅に節約するメリットがあります。また、エネルギー効率が向上するため、環境への負荷を軽減することにもつながります。
ヒートショックのリスクを減らすことができる
ヒートショックは、気温差による血圧の急激な変化が原因で起こる健康リスクです。断熱性能が良い住宅では、このリスクを大幅に軽減できます。断熱性能が高いと、浴室やトイレなどの空間でも外気温の影響を受けにくく、部屋ごとに温度差が小さくなるため、冬場でも安全かつ快適に利用できます。特に高齢者や子どもがいる家庭では、ヒートショックを防ぐ取り組みとして、高断熱住宅が注目されています。
補助金を受けられる可能性がある
都道府県や市町村によっては、断熱対策を施した住宅を建てることで補助金を受けられます。これは国が進める「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みの一環で、断熱対策を含む省エネ対策をした住宅が対象です。また、住宅ローンの金利引き下げや、リフォームに対する支援を行っている場合もあります。
市場価値が上がる
近年、断熱性能の高い住宅はその快適性や省エネルギー性が評価され、不動産市場において高い価値を持っています。例えば、断熱等級6や7といった最新基準を満たす住宅は、購入希望者からの注目度が高く、資産価値を維持しやすいのが特徴です。持続可能な暮らしを可能にする高断熱住宅の需要が増加しています。住宅選びの際には、断熱性能やUA値などに注目することがポイントとなっています。
覚えておきたい「断熱性能を表す指標」とは
断熱等性能等級はUA値で定められます。
断熱等性能等級
室内外で温度差が1℃ある時に建物から逃げていく熱量を指しています(外皮表面積1㎡あたり)。数値が小さいほど断熱性能が優れていることを示しています。
断熱等性能等級では、必要な「UA値(外皮平均熱貫流率)」が定められています。東京などの地域(6地域)に関して言えば、等級5ならUA値が0.6、等級6は0.46、等級7は0.26以下でなくてはなりません。
中四国エリアの断熱等性能等級について
全国で8つの地域に区分けされ、寒い地域ほど断熱の基準(UA値)が厳しくなっています。
セキスイハイムでは断熱性・日射性・結露防止対策を行い、【地域区分5〜7地域】において断熱等級6標準化※を実現しており、年間を通じて快適に暮らせます。
セキスイハイム中四国が対象としている施工エリアでは、下記の通りの区分となっています。
都道府県 | 地域区分 | 市町村名 |
山口県 | 5地域 | 下関市(旧豊田町)、萩市(旧むつみ村)、萩市(旧福栄村)、美祢市(旧美祢市)、美祢市(旧美東町、旧秋芳町) |
6地域 | 宇部市(旧宇部市)、宇部市(旧楠町)、山口市(旧山口市、旧徳地町、旧秋穂町、旧小郡町、旧阿知須町)、山口市(旧阿東町)、萩市(旧萩市、旧川上村、旧田万川町、旧須佐町)、萩市(旧旭村)、防府市、下松市、岩国市(旧岩国市、旧玖珂町、旧周東町)、岩国市(旧由宇町、旧本郷村、旧錦町、旧美川町、旧美和町)、光市(旧光市)、光市(旧大和町)、長門市、柳井市、周南市、山陽小野田市、周防大島町(旧久賀町、旧大島町、旧東和町)、周防大島町(旧橘町)、和木町、上関町、田布施町、平生町、阿武町 | |
7地域 | 下関市(旧下関市、旧菊川町)、下関市(旧豊浦町)、下関市(旧豊北町) | |
広島県 | 3地域 | 廿日市市(旧吉和村) |
4地域 | 庄原市(旧総領町)、庄原市(旧西城町、旧東城町、旧比和町)、庄原市(旧口和町、旧高野町)、安芸太田町、世羅町(旧甲山町、旧世羅町)、世羅町(旧世羅西町)、神石高原町(旧油木町、旧神石町、旧豊松村)、神石高原町(旧三和町) | |
5地域 | 府中市、三次市(旧三次市、旧甲奴町、旧吉舎町、旧三良坂町、旧三和町)、三次市(旧君田村、旧布野村、旧作木村)、庄原市(旧庄原市)、東広島市(旧東広島市、旧福富町)、東広島市(旧黒瀬町、旧豊栄町、旧河内町、旧安芸津町)、廿日市市(旧佐伯町)、安芸高田市(旧吉田町、旧甲田町、旧向原町)、安芸高田市(旧八千代町、旧美土里町、旧高宮町)、熊野町、北広島町(旧芸北町、旧大朝町、旧豊平町)、北広島町(旧千代田町) | |
6地域 | 広島市、呉市(旧呉市、旧音戸町、旧蒲刈町、旧安浦町、旧川尻町)、呉市(旧倉橋町、旧下蒲刈町、旧豊浜町、旧豊町)、竹原市、三原市(旧三原市、旧大和町、旧久井町)、三原市(旧本郷町)、尾道市(旧尾道市、旧因島市、旧御調町、旧向島町)、尾道市(旧瀬戸田町)、福山市(旧福山市、旧内海町、旧沼隈町、旧新市町)、福山市(旧神辺町)、大竹市、廿日市市(旧廿日市市、旧宮島町)、廿日市市(旧大野町)、江田島市、府中町、海田町、坂町、大崎上島町 | |
岡山県 | 4地域 | 津山市(旧阿波村)、真庭市(旧湯原町、旧美甘村、旧川上村、旧八束村、旧中和村)、新庄村、西粟倉村、吉備中央町 |
5地域 | 津山市(旧津山市、旧加茂町、旧勝北町、旧久米町)、高梁市、新見市(旧新見市、旧神郷町、旧哲多町、旧哲西町)、新見市(旧大佐町)、備前市、真庭市(旧北房町、旧勝山町)、真庭市(旧落合町、旧久世町)、美作市、和気町、鏡野町(旧富村、旧奥津町、旧上齋原村)、鏡野町(旧鏡野町)、勝央町、奈義町、久米南町、美咲町 | |
6地域 | 岡山市(旧岡山市、旧灘崎町)、岡山市(旧御津町、旧建部町、旧瀬戸町)、倉敷市、玉野市、笠岡市、井原市(旧井原市、旧美星町)、井原市(旧芳井町)、総社市、瀬戸内市、赤磐市(旧山陽町)、赤磐市(旧赤坂町、旧熊山町、旧吉井町)、浅口市、早島町、里庄町、矢掛町 | |
鳥取県 | 4地域 | 若桜町、日南町、日野町 |
5地域 | 倉吉市、智頭町、八頭町、三朝町、南部町、江府町 | |
6地域 | 鳥取市(旧鳥取市、旧福部村、旧気高町、旧青谷町)、鳥取市(旧国府町、旧河原町、旧用瀬町、旧佐治村、旧鹿野町)、米子市(旧米子市)、米子市(旧淀江町)、境港市、岩美町、湯梨浜町(旧羽合町、旧東郷町)、湯梨浜町(旧泊村)、琴浦町、北栄町、日吉津村、大山町、伯耆町 | |
島根県 | 4地域 | 飯南町、吉賀町 |
5地域 | 益田市(旧美都町、旧匹見町)、雲南市、奥出雲町(旧仁多町)、奥出雲町(旧横田町)、川本町、美郷町、邑南町(旧羽須美村、 旧瑞穂町)、邑南町(旧石見町)、津和野町 | |
6地域 | 松江市(旧松江市、旧鹿島町、旧宍道町)、松江市(旧島根町、旧美保関町、旧東出雲町、旧八雲村、旧玉湯町、旧八束町)、浜田市(旧浜田市)、浜田市(旧金城町、旧弥栄村)、浜田市(旧旭町、旧三隅町)、出雲市(旧出雲市、旧斐川町)、出雲市(旧平田市、旧佐田町、旧多伎町、旧湖陵町、旧大社町)、益田市(旧益田市)、大田市(旧大田市)、大田市(旧温泉津町、旧仁摩町)、安来市、江津市(旧江津市)、江津市(旧桜江町)、海士町、西ノ島町、知夫村、隠岐の島町(旧西郷町、旧五箇村)、隠岐の島町(旧布施村)、隠岐の島町(旧都万村) | |
愛媛県 | 4地域 | 新居浜市(旧別子山村)、久万高原町 |
5地域 | 大洲市(旧肱川町)、大洲市(旧河辺村)、内子町(旧小田町) | |
6地域 | 今治市(旧今治市、旧朝倉村、旧玉川町、旧波方町、旧大西町、旧菊間町、旧宮窪町、旧伯方町、旧大三島町、旧関前村)、今治市(旧吉海町、旧上浦町)、八幡浜市、西条市(旧西条市、旧小松町)、西条市(旧東予市)、西条市(旧丹原町)、大洲市(旧大洲市)、大洲市(旧長浜町)、伊予市(旧伊予市、旧双海町)、伊予市(旧中山町)、四国中央市(旧川之江市、旧土居町)、四国中央市(旧伊予三島市、旧新宮村)、西予市(旧三瓶町、旧明浜町、旧宇和町、旧城川町)、西予市(旧野村町)、東温市(旧重信町)、東温市(旧川内町)、上島町(旧魚島村)、上島町(旧弓削町、旧生名村、旧岩城村)、砥部町(旧砥部町)、砥部町(旧広田村)、内子町(旧内子町、旧五十崎町)、伊方町(旧伊方町、旧三崎町)、伊方町(旧瀬戸町)、松野町、鬼北町(旧広見町)、鬼北町(旧日吉村) | |
7地域 | 松山市、宇和島市(旧宇和島市、旧吉田町、旧三間町)、宇和島市(旧津島町)、新居浜市(旧新居浜市)、松前町、愛南町(旧内海村、旧御荘町、旧城辺町、旧一本松町)、愛南町(旧西海町) |
少し細かくなっていますので、詳しくはセキスイハイム中四国までお問い合わせください。
断熱性能を高めるには気密性・計画換気も重要
断熱性能を高めるには、この「気密性」と「計画換気」も重要です。
気密性とは
気密性とは、空気などの流れを遮断する性能のことです。気密性の高い住宅は、隙間が少なく、外気の影響を受けにくい住宅です。いくら断熱性能が高くても、隙間から空気が出入りすれば、快適な室温を保つことができません。つまり、高断熱であり、さらに高気密でもある住宅が、省エネ性能も高く、快適な住宅なのです。
計画換気とは
計画換気とは、空気の出入りが適切に行われるようにコントロールすることです。高断熱・高気密であるほど、空気が自然に出入りする量は減少します。室内の空気が入れ替わらないと空気が汚れ、快適性を損なうだけでなく、健康に悪い影響を及ぼす可能性もあるため、計画換気(のシステム)が必要となります。高断熱・高気密と計画換気は、セットで検討するようにしましょう。
セキスイハイムの断熱等級
セキスイハイムでは、断熱性・日射性・結露防止対策を行い、2030年以降の未来基準である”断熱等級6標準化”を実現します。そのため、年間を通じて快適に暮らせます。
※省エネ地域区分5~7地域で展開する平屋・2階建ての戸建全商品が対象です。プランや一部採用メニュー等の条件によっては、断熱等級6に適合しない場合があります。
まとめ
断熱等級とは家の断熱性能を示す指標で、数字が大きいほど断熱性能が高くなります。2025年以降、断熱等級3以下の新築は建てられなくなり、2022年3月まで最高等級だった等級4が実質の最低等級となり、さらに2030年には省エネ基準の水準が引き上げられ、断熱等級5が最低等級になると見込まれています。家族の健康維持や、毎日の快適性に加え、地球温暖化に伴う猛暑日の増加、将来的な建物の資産価値も考えると、今後、新築物件を建てる場合は、等級6(「HEAT20」G2レベル)を目指した方が良いかもしれません。
また、断熱性能を高めるためには、気密性や空気の流れも重視しなければなりません。いくら高性能の断熱材を使っても、ダウンライトやコンセントを取り付けたときに空けた穴や、サッシのすき間風が入るようでは効果が落ちてしまうためです。このように、高断熱の家にするには気密性を高める技術が必要となり、それは職人の腕によるところが大きいです。そういった意味でも、C値とよばれる気密性を示す値を1邸毎に測定してくれるなど、断熱性だけでなく、気密性も重視している建築会社に相談することをおすすめします。
家は、家族がこれからの人生を過ごす大切な場所です。妥協することなくご家族やご親族と話し合い、納得できるものを探し求めていく過程は大変かと思いますが、それが“家族の絆”をいっそう深めてくれるでしょう。ぜひ、自分たちご家族に合ったマイホーム計画を立ててみてください。注文住宅を検討されるのであれば、セキスイハイム中四国にお気軽にご相談ください。